素材の必然性
Materials
Design
どんな空気感をつくりたいのか。
どんな時間を、
この住まいに流したいのか。
素材は、
意匠のために
存在しない。
建築家は、完成した姿を
思い描く前に、
その空間にふさわしい
「質」を考えます。
素材は、空間を飾るためのものではありません。素材は、その質を実現するための最も誠実な手段として選ばれます。
表情は計算ではなく、
結果として生まれる。
表情をつくろうとすると、
建築はすぐに饒舌になります。
建築家が目指すのは、主張する表情ではなく、
環境と呼応して生まれる佇まい。
光を受け、影をつくり、時間とともに変化する。
素材が本来持つ性質を素直に受け入れたとき、
表情は意図せず立ち上がります。
境界に素材の思想が、
現れる。
内と外。近くと遠く。
守る場所と、開く場所。
建築には、いくつもの「境界」が存在します。
その境界を、どんな質感で、
どんな距離感でつくるのか。
素材の選択は、建築家の価値観を
最も雄弁に語る部分です。
触れなくても、
感じるもの。
人はすべての素材に、触れるわけではありません。
それでも空間に入った瞬間に、
どこか落ち着くか、どこか緊張するかは、
無意識に感じ取っています。
それは、視覚だけでなく、
温度や反射、音の響きまで含めた
素材の総合的な作用です。
建築家は、その感覚を設計しています。
自然素材、
という選択。
SOLESTが選ぶ素材は、見た目の印象や表情をつくるためのものではありません。
触れたときの温度、足音や反射音の響き方、
光をどう受け止め、どう滲ませるか。
素材が持つ本来の性質が、空間全体の質や、
そこに流れる時間の感覚に
静かに作用することを、重視しています。
時間に委ねられる
素材だけを使う。
変化を劣化ではなく、
深まりとして受け止める。
完成した瞬間が、最も美しい建築は、長くは続きません。時間とともに、風景に溶け込み、住まい手の暮らしに馴染んでいく。素材に必然性があるとは、時間に委ねられるということです。